「お葬式」というと、通夜や告別式などを執り行う「一般葬」が最も知られています。
ところが、近年は通夜や告別式をせずに火葬のみを執り行う「火葬式(直葬)」を選ぶ方も増えてきています。そこで今回は、「火葬式(直葬)」の特徴やメリット、デメリット、葬儀の一連の流れを詳しく解説していきます。火葬式(直葬)についてあまりよく知らない方は、ぜひ記事を最後までご覧ください。
火葬式(直葬)の特徴
火葬式(直葬)とは、一般葬とは違い、火葬以外のあらゆる法要を省略する葬儀のことです。
具体的には通夜や告別式を行わず、家族や近親者、親しい友人など数名~10名ほどで行うのが一般的です。
そんな火葬式は「直葬」とも呼ばれており、呼び方が異なりますが、内容は同じもの。
葬儀屋によって「火葬式」「直葬」と呼称が変わりますが執り行う内容は変わりません。
火葬式(直葬)のメリット・デメリット
そんな火葬式(直葬)にはメリットとデメリットがあります。
それぞれどのような内容なのか、詳しくみていきましょう。
~火葬式(直葬)のメリット~
・静かに故人を送ることができる
身近な親族を亡くした方にとって、その悲しみは計り知れません。
そのような辛い心境の中でも、一般葬の場合は葬儀の日程や内容を決めたり、葬儀中も常に参列者を気遣わなければなりません。
一方、火葬式なら少ない手続きで済み、参列者も家族や親族、親しい友人のみ。
精神的な負担が少ない状態で、静かに大切な故人を送ることができます。
・費用が抑えられる
火葬式(直葬)で主に発生する費用は次の通りです。
・故人の運搬料
・骨壺
・供花
・ドライアイス
・火葬費
・人件費 など。
※故人を自宅以外で安置する場合、安置場所の費用も発生します。
通夜や告別式がないため、参列者への食事の手配はする必要がありません。
一般葬の費用の相場は約190万円ほどですが、火葬式の場合は20~40万円ほどとなっていて、費用はかなり抑えることができるのも火葬式のメリットです。
~火葬式(直葬)のデメリット~
・親族間でトラブルになることも
通夜や告別式を行わない火葬式(直葬)は、一般葬と比べるとそれほど多く執り行われているわけではありません。
家族や親族の中には一般葬を希望する方もいるので、後々トラブルにならないよう事前にしっかり話し合いをしておくことが重要です。
また、火葬式は親族などの身内のみで執り行うことが多く、友人の中には「参列できず心残りになった」と感じてしまう方もいます。
事前に故人が親しくしている友人等がわかるなら、火葬式を執り行うことを伝え、参列するか確認しておきましょう。もし火葬式に呼べない場合は、葬儀後に弔問の機会を設けるという方法もあります。
・葬儀日数が少ない
火葬式(直葬)は、数時間で執り行います。
通夜、告別式と2日間時間をかけて別れを偲ぶ一般葬とは異なり、偲ぶ時間が短くなります。
そのため、中には「もっとゆっくり偲ぶ時間が欲しかった…」と後々後悔する方も。
葬儀後にこのような思いをしないためにも、どのような形で送りだすのが良いか、事前に話し合いをしておくと良いでしょう。
火葬式(直葬)の一連の流れ
火葬式(直葬)を行う際、一連の流れは次の通りです。
家族や親族が亡くなった場合、葬儀屋に連絡を行います。
病院で亡くなった場合は死亡診断書を発行してもらいましょう。
日本では、死後24時間以内の火葬は法律で禁じられているので、葬儀社が安置場所まで運搬します。
自宅を安置場所とする場合が多いですが、難しい場合は葬儀社に相談してみてください。
続いて、「納棺」を行います。
納棺とは、故人の遺体を清めてあの世へ旅立つための支度を行い、愛用品や花などの副葬品を棺に納める儀式のこと。
金属製品などは納棺できないので、葬儀社に確認しながら行うようにしてください。納棺作業が完了したら、出棺となります。
故人を火葬場へと運搬し、火葬を執り行います。
火葬は1~2時間ほどかかります。
家族や親族、親しい友人などは別室でしばらく待機することになるため、参列者へお茶やお菓子などを用意しておくと良いでしょう。
火葬が終わった後は、遺骨を骨壺に収める「骨上げ」を行います。
骨上げが終わると、火葬場の担当者から骨壺を受け取り、火葬式は完了となります。
まとめ
近年は、「一般葬よりも費用が抑えられる」「高齢化で参列者が少なくなっている」という理由から、火葬式(直葬)を選ぶケースが増えてきています。
大幅に費用を抑えられ、精神的な負担も少なく故人を偲ぶことができるのはメリットですが、偲ぶ時間が短いため後々後悔するというケースもあるようです。
どのような形でも、葬儀は故人との大切な別れの場。
後悔しないためにも、一般葬や火葬式の葬儀スタイルを踏まえ、比較しながら自分たちに合った葬儀を検討してみてください。
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