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四十九日法要は、死後49日目に行われる大切な法要で、「忌明け」「仕上げ」「満中陰」など、さまざまな呼び名があります。初めて手配する方は戸惑うかもしれませんが、ここでは四十九日法要に必要な準備と手配についてご紹介します。ぜひ参考にしてください。

法要の手配

① 日時や場所の手配
法要の日時は寺院と相談して決めましょう。
場所は自宅、寺院、葬儀会館などさまざまです。法要後の食事の移動も考慮して選ぶことが重要です。

② 法要料理の手配
料理は法要会場に配達してもらうか、料理店に出向くかのいずれかです。参列者の人数や場所に応じて最適な方法を選びましょう。

③ 引き物の手配
参列者へのお礼として引き物を準備します。通常、一世帯に1つの品物を贈ります。また、同時に位牌や仏壇、お墓、満中陰志の準備も必要に応じて行います。

位牌の手配

葬儀時に使用される白木位牌は仮の位牌で、四十九日法要までに本位牌を用意します。本位牌には塗りや唐木、モダン位牌などさまざまな種類があるため、好みのものを選びましょう。仮位牌から本位牌への魂入れを行い、仮位牌は寺院に引き取ってもらいます。

仏壇の手配

仏壇がない場合は、この機会に用意します。位牌は仏壇に納めて祀るため、仏壇のサイズに合った位牌を選ぶことが重要です。

お墓の手配

すでにお墓がある場合、四十九日法要に合わせて納骨することもあります。その際、墓石に故人の戒名や命日を刻んでおくと良いでしょう。新しくお墓を建てる場合、タイミングとしては一周忌や三回忌が多いですが、四十九日までに建立する方もいらっしゃいます。石材店に早めに相談することが大切です。

満中陰志の手配

満中陰志は香典返しの品物です。葬儀時に「即日返し」を行った場合、基本的には不要ですが、高額の香典をいただいた方には改めて品物をお送りすることもあります。法要後1週間以内に先方に届くよう手配します。

たまゆら葬社のサポート

たまゆら葬社では、葬儀後のサポートも承っております。四十九日法要の準備や手配についてお困りの際は、ぜひご相談ください。また、事前のご相談も受け付けております。疑問や質問がございましたら、なんでもお聞きください。

たまゆら葬社では、ご自宅葬や公営斎場での葬儀を推奨しています。公営斎場での葬儀に関するご相談は、たまゆら葬社までお気軽にご連絡ください。

お問い合わせ

葬儀に関するご質問やご相談は、0120-077-009 までお電話ください。

位牌には死者の魂が宿る

仏壇は「仏」の「壇」と書きますが、同時にその家の祖先をも祀ります。

と言うより、実際のところは大日如来や阿弥陀如来や釈迦如来などのご本尊よりも、実際に存在を知っているおじいちゃんやおばあちゃんといったご先祖様に対して手を合わせる、という方が圧倒的に多いのではないでしょうか。

火事になって仏壇を背負うことはできないけれど位牌を持って逃げるという逸話はよく聞きますし、盆には盆棚に位牌を移して祀る地域が多く、その場合仏壇は空っぽになるわけですから、仏壇よりも位牌にこそ親近感を感じるという宗教感が日本の先祖祭祀という習俗を覆っていたのではないでしょうか。

本位牌は、忌明けで祀り、弔い上げで処分する

本位牌は忌明けまでに用意するのが一般的で、三十三年の弔い上げを済ませると、焼却処分したり、墓地に埋めたり、お寺に引き取ってもらったりする例が多いです。

これは、死者が個性を喪失して祖先の霊に仲間入りすると考えられているからです。

実際に死者の33年後には、死者を祭祀する息子も死んでしまうだけの年月を経ているわけで、こうして死霊は祖霊となり、弔い上げのあとは共同体の祖先の集合(氏神)となっていくという考え方が日本の死者供養のシステムです。

村人は初詣にお参りに行き、祭りでは神輿に氏神を乗せて村の中を練り歩きます。こうして死者は生きている者の社会に循環して、共生するのです。

弔い上げを済ませた先祖の位牌は仏壇から消えてなくなります。でないと先祖の位牌が仏壇の中を溢れかえってしまいます。

古い先祖の集合は「〇〇家先祖代々」という一回り大きい位牌にまとめたり、過去帳位牌にして祀ったりします。

位牌は仏壇の二段目に祀る

仏壇は、本尊と先祖を祀る礼拝施設です。上段に本尊や諸仏、二段目に位牌を祀ります。

向かって右側が上座なので、古い先祖の位牌から右から順に並べていきます。

浄土真宗は位牌を作らない

浄土真宗では原則位牌を作りません。

過去帳に先祖の法名などをまとめて記載して仏壇の下段に置いたり、法名を掛軸に表具して仏壇の内側に吊るしてなど、真宗特有の祀り方をします。

浄土真宗の教義では、死後、中陰という期間もなく、遺族による追善供養の必要もありません。

阿弥陀如来に念仏を称えることでどんな人でも救われるという一神教的な教えのため、他宗とは一線を画しています。

ただし、地域によっては真宗門徒でも位牌を作るところもあるようです。

位牌の産地

位牌の主要産地は、会津位牌、京位牌、高野位牌、名古屋位牌などがあります。

会津位牌は、漆産業が会津若松地方の伝統的な地場産業だったことから発展してきました。会津の漆塗りの伝統工芸は縄文時代にまで遡るとされ、江戸時代に花開きました。

国産漆の採取できる場所が岩手県、茨城県、群馬県などと北関東や東北に分布していたことも影響されているかもしれません。

現在でも会津位牌の定評は高く、全国の仏具店が会津位牌を取扱っています。

京位牌は京都で製造される位牌のことです。

794年の平安京開城から、1868年の江戸開城まで、1000年以上に渡って日本の都だった京都ではさまざまな伝統工芸が発達し、技術や職人も全国から集まってきました。

また、京都には数々の宗派宗門の本山寺院があるために、宗教用具を取り扱う職人や仏具店が発展してきたという経緯があります。

京型位牌は西日本で使用されることが多く、千倉座や京中台や呂門型などがあります。

高野位牌は和歌山県で製造される位牌です。高野山は真言宗の総本山で、その周囲で宗教用具の製造が発展してきたという経緯があります。

名古屋もまた古い歴史を持った町で、仏具や宗教用具の製造が昔から行われてきました。

真宗門徒の多い土地柄で、金箔の生産地である金沢が近いこともあり、漆塗りと金箔を用いた西日本系の位牌が多く製造されています。

時代が進むと流通も発達するために、産地的な傾向は昔に比べればなくなりましたが、使われる位牌は未だに地域的な傾向があります。たとえば関東では唐木位牌が多く、塗位牌でも勝美や葵角切などが選ばれています。関西では千倉座や京中台が多いでしょう。

ただし、宗派や男女の決まりなどないので、好みのものを選べばよいでしょう。

家具調位牌・創作位牌

昔ながらの伝統的な位牌ではなく、多様化するお仏壇に合わせたさまざまなデザインの位牌が登場しています。

同じ板位牌でも蒔絵や沈金などを施して高級感のあるものや、青や緑で塗りをかけたもの、ウォールナットなどの外国の木材を使用したもの、象嵌細工のもの、クリスタル位牌など、デザインや材質も多様化しています。

お手入れの仕方

唐木位牌は乾いた布などで拭き取ればよいでしょう。

しつこい汚れの場合は固く絞った布で水拭き、必ず水分を残さないように乾拭きで拭き取りましょう。彫刻文字に色が入っている場合は、中の色が取れないように注意しましょう。

塗り位牌の場合は、金箔(金粉)部分に触れてしまうとすぐに剥げてしまします。

毛払いなどで埃と取ってあげるか、黒塗りの部分のみを乾いた柔らかい布で拭く程度です。

年月が経って芯材が痩せてくると、台座や札板に隙間ができてぐらつくことがあります。一度分解して薄いかまし木を差し込めば固定できます。

近くの仏具店に相談するとよいでしょう。